月
05
12月
2011
滋賀県の東、東近江市を山間に入ったところに「政所」という地名の場所があります。ここは、かつて「宇治は茶処、茶は政所」といわれ、幻の茶といわれるほどおいしいお茶の産地です。
政所のお茶は一般に流通している「やぶきた茶」ではなく、「山茶(やまちゃ)」といわれる在来種。いまでは大変貴重なものだそうです。また、栽培は完全無農薬で手摘み。山間の傾斜地での作業は大変厳しいものですが、地元の方によって大切に守られてきました。
今回私は、滋賀県立大学で景観の研究をしている学生さんに紹介していただき、政所茶を栽培している川上さんにお会いしてきました。川上さんは、以前製茶工場として利用していた建物を自ら改修し「喜の花工房」として、コミュニティスペースにしています。中には、川上さんが描かれた絵や陶芸作品がところせましと飾られ、政所茶やコーヒーをいただくことができます。
少し見ずらいですが、これが政所茶の茶葉です。政所の山茶は宇治のような平地のお茶(平茶・ひらちゃ)に比べると淹れた時の色が悪いそうなのですが、2番茶3番茶もおいしく、長く楽しめることが特徴だそう。いただいてみると、後口が甘くて深い味わいのとてもおいしいお茶でした。淹れた後の写真を撮り忘れてしまうほど...また、飲むと満腹感を感じるので、ダイエット等にも有効なのでは、とのことでした。
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お茶をいただきながら、お話を進めていくと、川上さんはご主人が地域振興の協議会の代表をされていることもあり、移住に関する問い合わせ窓口も担っておられるそう。これまでで5件ほどの移住を成功させてきたそうですが、移住者はセミリタイヤや若者など多様。「地域のことをよく知っている人が間に入らないと移り住みたい人の要望にも応えられないし、地域に根付かない」と語ってくださいました。
高齢化が進んで、茶畑は放置されることが多く、今後はお茶づくりの担い手が移り住んでくれることに期待を寄せておられました。
政所は、国道421号の「石榑(いしぐれ)トンネル」が3月に開通して以来、三重県からの通行車両が大幅に増えたところ。これを契機に、地域の盛り上げのため、市と「道の駅」開業に取り組むそうです。今後は政所の豊かな恵みがより多くの方の手に届くかもしれません。
(U)